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2014年8月31日日曜日

常陸国旅行記 (3) 大洗

朝だ夜明けだ、早起きして早速大洗方面へ向かう。

鹿島臨海鉄道大洗鹿島線で大洗に移動。
ローカル線ではあるが、水戸-大洗間はすこし本数が多く、朝夕は通勤ラッシュも起こるのか本数多め。まあ日曜だったけど。
7時40分発の鹿島神宮行きに乗り込んだ。




この角度だと一見、通常の車両なのだけども
お、おう。ラッピング車両や。
中も!
吊り広告が全部ガルパン!
大洗駅で降りて改めて。
大洗に到着する前から、全力でガルパン漬けだよ。
前夜、水戸の駅ビルで徳川将軍コーヒーを飲んでたら、大洗がえらいことになってると隣の席の奥様方一行が噂していたのだけど、大洗の町からのはみだしが思ったより大きいな。

大洗駅に着いてもやはり色々ある。

記念ヘッドマークがずらっと。
2周年のマークが昭和62年となっているので、大洗鹿島線開業とは昭和60年=85年。
会社自体はもっと前からあって、今とは違って北鹿島(現鹿島サッカースタジアム駅)から今は貨物だけになっている鹿島港へと旅客営業をしていたこともあったそう。

大洗女子優勝横断幕と、町の皆さんポップ。
町中にガルパンキャラの等身大ポップが無数にあるのだが、町の人のポップもたくさんある。
今日本で最も多くの等身大ポップを擁する町だろう。
アンツィオ高校のはりぼて作戦はここからアイディアを得たとか。でまかせだけど。
アクアワールド茨城県大洗水族館の広告もこう。
観光案内所脇の鉄道関係施設と、町の商店や民宿の手書き広告。
あとで知ることになるのだが、町のガルパン乗りは結構に手作り感がある。
日赤まで巻き込まれている……
駅舎は見事に直方体のレンガ造り。
さて、大洗の町はなんだかんだで、リゾートアウトレットに水族館にと大きな観光施設も擁する町なので、バスなども循環している。
地図で街の規模を見ても、那珂湊の倍以上の範囲に見どころが散らばっている。
那珂湊で歩きすぎた(万歩計が3万歩に迫っていた)ので、今日は徒歩で回るのはしんどい。

よって、レンタサイクルを借りたが、これは8時半からだったので30分ほど待機。
レンタサイクルは、昼に戻ってきた時には全車出払っていたので、早めに行かないとなくなる。数は20台くらい。

さて、借りたところで移動開始。
とりあえず、時間の都合で入る予定はないけれど、アクアワールドの方へ。那珂川を見ておきたくて。

県道二号線沿いの商店に、早くもちらほらと、ガルパンののぼりをかけて戦車のポップを建てた店舗が見える。駅近くは戦車ポップが多いようだ。
二号線を北東へ、ガソリンスタンドのある角を北に折れるとゴルフ場の西側を通る県道108号へ。これをずっと行くと、対岸の那珂湊へ渡る海門橋へいける。

茨城船甚句の碑。海門橋脇にある。
大洗あたりの漁師に歌われる「網のし唄」の元歌だそう。
海門橋。赤い橋はなかなか目立つ。
橋から大洗に入っても、やっぱりガルパンに迎えられる。

川沿いに海の方へ降りていく。

那珂川と海門橋。対岸におさかな市場も見える。
ちょっと天気が悪めでもあり、打ち付ける浪が結構なしぶきを立てる。
マリンワールドは入り口だけ。

ここから海沿いに南へ下がっていく。
海水浴のシーズンも過ぎ、ちょっと荒れた浪が打ち寄せる、意外に荒い海。
しかし私は海沿いの生まれ育ちではあるけれど、知ってる海は大阪湾、母の実家も愛媛で、見る海といえばほとんど内海。島一つ無く水平線だけが見える海は、稀にしか見ない。

大洗磯前神社の神磯の鳥居。
さて、私は本来神社好きで、わざわざこっちに来る前に酒列磯前神社にも参ってるのだ。
大洗磯前神社は早速のメインイベントのひとつ。

立派な鳥居。
階段をあがる。
軍艦那珂忠魂碑。
大正14年進水、第二艦隊第四水雷戦隊旗艦として戦い、最後は昭和19年トラック島に散る。
ちなみにうちの那珂ちゃんはレベル120です。
ちょっとかわいいタッチのイラストレーション。
境内に、大洗海洋博物館というのがあったので入ってみる。

昭和30年代に使われていた漁船。
海洋博物館では、海洋生物の進化をカイメンのような単純なものから順にたどっていく標本展示や、大洗の海で採取された魚介類や使われていた漁具、パネルで古い捕鯨や大洗の町の様子を展示していた。
最後の最後に大モノがあって、ひょっとするとそこが笑いどころだったのかもだが、あいにくちょっと現在見られない状態で復旧待ち。このおかげで入場料が500円から300円に値下げされていた。

まあ、必見というほど濃密な博物館ではないけれど、海の守り神たる大洗磯前神社へ奉納するつもりで入るのもよし。
建物屋上が展望台になっているけれど、これは回りの木々が邪魔で特に展望できなかった。
ここもさり気なくガルパンにひっかけて、武部沙織も聞いて育ったと称して地元の昔話を紹介する冊子(手書き)を置いてあったりも。

さて、では参拝……と思ったら。

グワーッ工事中!
屋根の張替えをやってるそうで、来年3月まで工事。惜しい。

改めて近くから神磯の鳥居。

さて神社から、次に向かうのは幕末と明治の博物館へ。

途中にあった、源烈公 子の日が原の碑。
徳川斉昭が大洗の海岸を読んだ和歌の歌碑だそう。元々海岸にあったのを丘の上に移設。
幕末と明治の博物館と田中光顕像。
幕末と明治の博物館は、昭和4年、明治天皇の等身大銅像を収める聖像殿とともにオープン。
どうしても関西人にとっては、幕末といえば京都回り、新選組や坂本龍馬が目立つのだけど、こちらは当然、黒船来航や水戸藩、天狗党に重きが置かれた感じの展示。

聖像殿に入ると、思わず脱帽する明治大帝の銅像が堂々と立っている。
その先からは、天皇家や皇族の所有していた物品の展示が多々ある豪勢なエリアになっている。

ここは大洗に来るなら寄っておきたい、充実の博物館。なかなか他所では見られない内容だ。

敷地はキャンプ場にもなっていて、その傍らに藤田東湖像がある。


さて、ここからは町中に降りていく。
8月31日、ちょうど大納涼祭が行われている。ガルパン作中であんこう踊りが披露されていた祭り。
私は現地に来るまで知らんかったが、あんこう踊りは別に実在するもんではないそうだ。代わりに和太鼓の演奏とフラダンスがあるらしい。

ガルパン聖地巡礼としては、あちこちの店を回ってお気に入りのキャラの等身大ポップを探しまわるらしいのだが、
カチューシャ&ノンナのさかげんさんはすぐに見つかってしまった。

どこにいっても大量のイラストやなんかが展示されているのだけど、これは訪問者に持ち寄られたものだそう。

買い物するとスタンプラリーの用紙がもらえた。
スタンプ12個ごとに1回……といいつつ、どこからか砲撃支援があるのか、すでに撃破されているスタンプ欄が多く、都合18個集めれば3回分貯まる。


食事をしたかったが、祭りということで飲食店が祭りモード営業に。
実はちょっと魚介類に苦手なものが多く、迷ってしまった末に、大洗磯前神社近くの旅館・魚来庵さんでしらす丼を出していたのでそれでいこうか、と思えば祭り営業で食堂開いておらず。
しかし豆腐田楽とほっき貝カレーを店先で出していたので、カレーのほうを頂いた。
茶碗一杯サイズのミニカレーで、ほんの100円。ほっき貝も十分入ってなかなか贅沢な味。安い。

さらに、お店の方とじゃんけんして、勝つとプレゼントをもらえた。
中身を見ると、讃岐うどんの乾麺、三ツ矢サイダーのワンピースペットボトルホルダー、ウィルキンソンタンサンのマフラータオルと、まあ謎の内容、多分余り物のノベルティっぽいのだけど、この地元のお祭感がなんだか嬉しい。

しかしこれは、祭りだからやってるという感じじゃなくて、ずっとこうなんだろうなあ。

さらに商店街のウスヤ肉店さんに、那珂湊焼きそばののぼりが立っていて、これも100円で出していた。太麺が特徴……って、どうだったかな。太かったかな。気にせず食べてしまった。味自体はオーソドックスなソース・豚肉・キャベツ。肉屋さんだけあって肉多し。
それから串かつが2本200円。こっちは大阪串かつ國から来た私の目にもかなり大ぶりの立派なものだった。まあ大阪のは何本も食べるの前提のサイズではあるけど。

さすがに操縦できる戦車などはなかったが、こんな軽四テクニカルがあった。
レンタサイクルは、事前に予約するとこういうタイプもある。
生徒会長は丸五水産さんに居た。
干し芋とせんべいを売ってたので土産に購入。
せんべいは、塩味にもすこし甘みを加えてるような、関西とはちと違う味わいだった。
民宿たくみさん前の四号戦車。よく見ると木造。頑張るなあ。
西住殿は民宿たくみさんの向かいの駐車場らしいところに。
自販機までも。
他に、釣りファンの友人の土産にと、金丸釣具店さんで砲弾ウキを購入。
ひとつひとつ手作りらしく、大きさや塗りにも少し差がある。見たところストラップのような紐がついていたが、ちゃんとウキとして使えるものらしい。(私は釣りやらないから使い方わからんのだが)
なんとも愛すべき手作り感あふれる台紙が入って、ちゃんとバンダイビジュアル公認グッズ

買い物をすると額によらず、ガルパン柄または納涼祭柄の缶バッジをつけてくれるのだけど、どうも道行くガルパンファンが大量にこれをつけていたりする。
店の展示物の中にも缶バッジコレクションがあって、これまでもかなり多種の缶バッジが作られているらしかった。
これ自体は気前よくぽんぽん配ってくれてたのだけど、集めてるとなればリピーターなんだろうな。


なんだろう、ガルパングッズを全身に身につけた30代男子、なんて今時日本橋でんでんタウンでもちょっと浮いてしまうと思うのだけど、こと大洗では大勢居て、町にとっても歓迎すべきリピーター客なんだろうな、という雰囲気。そういう人ほど、店の人と親しげに話をしている。
満身アニメグッズがTPO違反にならない、解放区のようなものかもしれないな。
持ち寄られたイラストをどんどん展示してるとか、町のほうで歓迎してる姿勢がよくわかる。

それから、大洗はわりと安く楽しめる町に見えた。
私は水戸に宿を取っちゃったけど、大洗は民宿がかなりあって、一泊二食付きで1万円以下の相場。地元の美味しい海鮮料理を食べてそれならリーズナブルだろう。水戸は水戸でかなり安いビジネスホテルが多いし。
食事はちょっと今回は祭りでよくわからなかったが、祭りで出す食べ物の値段もテキ屋価格じゃなく、地元による地元のための価格で安かった。
東京から大洗までも、高速バスで2240円らしいから、交通費もなんとかなる。
ガルパングッズも、缶バッジなんて配っちゃうし、これまで地元の実用品として売られてたらしいもの、背中洗い網とか、そういうものをグッズ化して、さして値段を吊り上げるでもなく売ってたりする。グッズにありがちな割高感が見えない。
これくらいなら、高校生くらいでも来れるだろうし、成人なら繰り返し来ることもできる。

これならリピーターが増えるのもわかるし、町の方も売上増や税収増につながってるらしいので、うまく回ってるんだなと。
実際、これだけ歓迎されてればまた来たくなる。私も関東圏在住なら二度三度来ると思う。


さて、まだ12時ごろなのだが、大阪に帰らねばならん。
かねふくめんたいパークで土産のめんたいこを手配して、駅の方へ。
ここのめんたいこは、大ぶりなのに粒が細かい上等品のわりに値段はほどほどでリーズナブル。

大洗リゾートアウトレットとか見残してしまっているけれど、まあやむなし。また来る機会があれば。

そば処大進さんでソド子を目撃。
筑波銀行の支店に10式戦車。銀行まで……
駅の近くは戦車ポップを置く店が多い。

まあ、いくら大阪に帰るとはいえ、13時14分に乗るのは早いのだが、このまま鹿島臨海鉄道を乗りつぶしてしまいたかった。
駅でレンタサイクルを返し、コインロッカーから荷物を出して駅で待機。


降りた時には気付かなかったが、ホームにもそこら中にいろいろいる。
探してたら待ち時間もあっという間だった。


さてここから、鹿島臨海鉄道を南へ。
特に何があるでもないけど、のどかな田園風景。ちょうど北浦にさしかかったあたりでにわか雨で景色が烟り、いい車窓に恵まれていた。


これにて、JR鹿島線やら成田空港線やら、京成スカイアクセス線やらを乗りつぶす寄り道をしながら東京駅へ戻り、新幹線で帰阪した。