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2014年1月18日土曜日

《祝100号》まんがタイムきららキャラットを独自指標で分析する

2014年2月号(13年末発売)で100号を迎えたまんがタイムきららキャラット。

私が萌え4コマを読むようになったとき、最初に手をとったのもキャラットだった。
2009年9月期の「GA」のアニメ版観てからなので、ちょうど50号くらいから読んでることになる。
キャラット史の半分くらいは観てきたことになるのだなあ。


節目ということで、また前やった掲載状況調査でもやろうかと思ったのだけど。
前は「載ってるかどうか」でデータを取ったから見えないことが多かった。
それで、かなり手間は掛かるんだけども、もっと対象データを増やして改めて集計しなおした。

前回までは、各作品の「掲載の有無」「表紙を飾ったか否か」「ゲストか否か」「姉妹誌からのレンタル掲載か否か」「(目次に告知あっての)休載か否か」を集計していた。
今回はそれに加え、「各作品の掲載順」と「カラーページがあるか」を追加。

まー、掲載順データを取るには、もう全部やり直すことになるんだけど。
手元に残ってるキャラットの56号(10年6月号)から100号(14年2月号)まで、事故で紛失した12年3月号を除いて、全部やり直しましたともさ。





掲載順を人気指標にする


きらら系の雑誌を読んでると、人気があるらしい作品ほど前に載っている傾向が見られる。
……という印象はあったんだけど、ちゃんと掲載順をデータとして撮ってみると、よりもっともらしく示せるのだ。


ただ、やっぱり掲載順の数字そのものを直接データとして使うのは難しい。

なにより、センターカラーの作品が、毎月4作ある。
かなりシステマティックに、5, 9, 13, 17番目に掲載される作品がセンターカラーになっている。例外はわずかだった。
「GA」「ひだまりスケッチ」「Aチャンネル」「キルミーベイベー」が現在のキャラットでは飛び抜けた人気作だけれど、これらでさえ9番目でセンターカラーを取ることがある。
これを単に9という数字で見るべきかどうか?

そこで、掲載順を独自の計算式で人気指標に転換してみることにした。

まず、カラーが4作ごとに挟まれることから、4作ごとに区切ってみる。
1~4、5~8、9~12、13~16、17~20、21~24、25~。

で、どんな作品がカラーに選ばれているかを見ると、特に5番目のカラーには、表紙&巻頭カラーの作品に次ぐものが来ているように見える。
巻頭が一番多いのはAチャンネルだけど、これは5番目カラーも多い。ひだまりスケッチも同様で、こちらは巻頭より5番目が多い。
「ごきチャ」「ぱわーおぶすまいる。」といった伸びの良い後続組も、まだ巻頭はなくても5番目になることがでてきている。
一方で、あれだけ名脇役の「はるみねーしょん」は、(あまりカラー向きの作品でないにせよ)ほぼ5番目にくることがない。「セカイ魔王」なども同様に、9番目はあっても5番目はない。
どうも、5番目という立ち位置はかなりスペシャルで、巻頭カラーに次ぐ位置があると見てよい。

このへんのことから、区切り目をずらして、カラー作品を上位組に含ませる。
1、2~5、6~9、10~13、14~17、18~。
巻頭カラーの作品が別格になるのも、わりと実態に沿うと思う。

さらに、カラー作品には加点して、以下のような格付けになるように式を立てる。
1 > 5 > 2~4 > 9 > 6~8 > 13 > 10~12 > 17 > 14~16 > 18~

5 - { (掲載順 + 2) ÷ 4 } ただし0以上、という式を基本として、カラーページなら0.5を足す、という計算でそのようになる。
巻頭で5。5番目センターカラーで4.5。2~4番目モノクロで4。9番目センターカラーで3.5……と数値化されていく。

この値をここからは「指数」と呼んでいく。


全体的な集計


とりあえず連載作品について、集計してまとめた。
ゲスト作品、集計区間に終わり際の数回だけ引っかかった作品、末尾が定位置の竹本泉は除外した。

クリックで拡大
指数の平均値が、今回の集計区間における人気を表すことになる。

隣のs-evは標準偏差で、指数のばらつきを表す。(ガウス分布を取るような値じゃないので適切じゃないけれど)
この値が大きい作品は、掲載位置が前後に不安定か、人気が上昇または下降している。


横に「一次回帰」とあるのは、号ごとの指標の推移を直線で表したときの傾きと切片。
y = ax + b の式で、x に号数、a に傾き、b に切片を代入して y を求めると、第x号における指数が予想できる。

「ぱわーおぶすまいる。」の2014年12月号(110号)であれば、
y = 0.056 * 110 - 1.849 = 4.311
と出るので、年末には5番目センターカラー、あるいは表紙を獲るところまで伸びてるかもしれない、という夢のある予想ができる。(あんまり精度の高いもんではないです)

若い連載で傾きが±0.1もあるようなら、人気は変動中。
今回分だと「NEW GAME!」「ののかのーと」「だいたいこんなンで?」あたりは伸びてる。

「ぱわーおぶすまいる。」と「ごきチャ」は2巻も出てる長い連載で、もう上位陣と伍してる掲載位置だけど、それでもなお+0.06前後で上昇中。
この2作に力があるのは見た感じでわかるけれど、数字で表すとそういう感じ。


さらに隣に、単なる掲載順でもって同じように処理したデータがある。
これだと平均値が小さいほどよいことになるけど、やっぱり5番目センターカラーが多いひだまりスケッチが、キルミーベイベーの後塵を拝することになっていて、どうも実態と異なる感がある。



作品別推移



Aチャンネルに9ヶ月連続表紙の時期があるけれど、2010年12月号から11年8月号まで。
アニメ化発表が10年12月号(10月末発売)で、アニメ放映が11年4~6月なので、発表から放送終了まで大いなるきらら力(ちから)が働いていた。

キルミーベイベーだって12年1~3月にアニメやったのだが、そこまでの扱いは受けていない。。
放送期間には77号~79号が発売されて、その前後に扱いが向上してるのは確かだけれど。

ひだまりスケッチハニカムの放送期間に発売されたのは、86~88号。
大きな変化なしか。これは単に、もう上がる余地が少なくて、持ち上げようがなかったのかもしれない。
むしろアニメ終了後に掲載位置がちょっと下がり(6番目なんだけど)、さらに休みが増えた。
内容的にももう幕引きを待つだけみたいで、寂しいことだけどその日は近そう。

GAは、Aチャンネル総力戦の時期を除いて、ゆらぎなくトップを張り続けている。
巻頭カラーに対してセンターカラーが少ない傾向にある。絵のクオリティが極端に高くて手間かかってそうだから、2ページのセンターカラーだけというのは半端な起用になるんかもしれないな。



アニメもきらら本誌での連載も終わった後、突然のリバイバル、それもスピンオフの後輩編が始まった「けいおん!」。
しかし分家の意地というのか、表紙にしたこともなければ、5番目センターカラーもたった2回だけ、連載開始時はセンターカラーだが9番目。
自前の看板4作品より上にはしてやらん、というキャラット力(ちから)が働いたのか。



近頃盛んなる二作。

最近1年くらいに関しては、「ごきチャ」のほうがすこし高いところで安定してるだろうか。
ごきチャの場合は、そりゃ高く扱われて当然だろうと思わせる質の高さなので、まあこうあるべきよね。
マンガの内容は違うけれど、アニメ化はしなかったもののトップを張り続けて締めた「CIRCLEさ~くる」の立ち位置に納まってる状態かな。


ぱわーおぶすまいるは、テレビCMでタイトルがコールされてるし、内容的に見てもアニメ化あるのかなあ、と思ってるけど、まだすこし早いか。
確か2巻出たくらいで早々アニメ化されたのって、Aチャンネルくらいだったと記憶しているんだけど……。(ここ確認せず発言)
「桜Trick」は3巻あたりでアニメ化になってるので、ぱわーおぶすまいるも3巻の頃に調子良ければアニメあるかも。

また、キルミーベイベーのアニメ化前の動きを見ると、指数4、モノクロだけど2~4番めの位置に掲載される状態が続いて、そして表紙取ってアニメ化発表、とあった。
それで見ると、もう少しだけ位置が上がりたい。今はたまにぽろっと後ろに下がる月がある。



あげつらいたいわけじゃないけれど、かつて一線級にいた「ラッキーブレイク」。
個人的には、キャラの識別ができなくてうまく読めない作品なもんで、内容的には「もう最終回目前らしい」ということくらいしかわからないのだけれど……

連載作品は、終盤で掲載位置が後方に下がっていくことも多い。
まあ、正直いって単に失速して人気も落としたっぽいものがないとはいわないけど、萌え4コマの場合、割と毎月同じようなことやってる作品が多いので、内容的な急失速なんて起こりにくい。吉本新喜劇にびっくりするようなハズレ回がないようなもんで。

なので、こうまで極端に下げてるのは何らかの編集意図なのかもしれない。
「CIRCLEさ~くる」なんかは、それほど下がることなく長い連載を終わらせてたものだけど、何か違う理由でもあるのかな。


風変わりな内容の、中堅・長期連載の2作。

この2作はどちらもかなり上下動が激しい。
まあ、どちらも萌え4コマとして異色なところがあるから、ある意味どこに載ってても浮いて、2番目だろうと23番目だろうと存在感に大差が出にくい気はする。
よって、人気で掲載位置を決めるというのとはすこし違うかも。

青が「平成生まれ」、赤が「平成生まれ2」

異色作といえば、の「平成生まれ」。
個人的にはものすごく好きで、毎回毎回楽しみにしてたんだけれど、まあ人気作というわけではないことくらいは感じてはいた。
グラフにしてみると、思った以上に後ろに追いやられてる作品だった……

が、「平成生まれ2」なんて、まさかのカムバックという「けいおん!」並みの偉業を成し遂げてしまった。
復活の報を聞いた時には、HRS(平成生まれ・リアリティ・ショック)で腹筋が実際爆発四散しかけた。
そして復活したと思ったら、まさかの5番目センターカラーを分捕るという快挙。
もうこうなったら次はアニメ化だな。


キャラットのギャグ漫画だと、キルミーベイベーとはるみねーしょん、今では平成生まれ2まで加わって、強烈なのがドンと存在感を見せてるところ。
だけど、「ひとより××」とか「もうダメかもしれない」あたりの、大物でなくともちょっとヘンなセンスのギャグ漫画が、スパイス的に雑誌にいい味を出したりする。

ぶっちゃけ、あまり面白くない作品って、そもそも眺めていても何の印象も残らないようなのが多いので、雑誌の後ろのほうがそういうのばっかりだと、本当に流れるように流し読みしてしまう。
そこに、スパイス的に変なマンガがまじると、流れが止まる。
そして後続の作品に、もうちょっとちゃんと目を通せるようになる。そういう感じ。

「ひとより××」の永深ゆうが、今は「だいたいこんなンで?」をやってくれてるけど、もう少しこういうの欲しいね。今の18番目以降って、かなり目が流れやすいと思う。
「もうダメかも……」のかにかまが、「それでも私は耕したい。」という変なマンガをゲストで載せてくれたものの、連載にはなれなかったらしく四ヶ月経過。




「九十九神いりませんか?」は、なぜこれがこんなに早く終わったんだろう、ということで印象に残る作品だった。

初出は後ろのほうのゲスト。あまり恵まれた船でではない。
しかし読者アンケートがよかったのだろうか、たった1回ゲストをやったと思ったら、すぐ連載化。
そしていきなり指数4、2~4番めの位置に掲載されて連載スタート。
と思ったらあれよあれよと滑り落ちてしまった。

絵も内容もよかったと思うし、連載開始時の扱いから見ても、編集側の評価が低かったとも思いにくいんだけど、どうしてこうなっちゃったんだろうなあ……


さて、そろそろ最後にするとして、近頃の新しい連載作品で、掲載位置が上昇傾向にある2作品。
「NEW GAME!」「ののかノート」ともに、ゲスト掲載時より連載で上の位置に上がり、今のところ落とさずに伸びていられている作品。
この調子を続けていけるか?



キャラットって、あまりにも上にいる作品が厚すぎて、上と下の格差が大きい傾向は以前からあるように思う。
大体50~90号くらいにかけて、その上位陣のアニメがどんどん放映されて、華やかな時代を迎えていた。
好景気時代みたいなもんで、上が華やかなら少々格差があっても、下も恩恵を受けて賑やかになるものだ。

しかし100号の今、上位陣のアニメ化は一巡してしまった。そして景気の波はMAXに行った。
まあ、Aチャンネル2期とかでカンフル打ったりはできるだろうけど、101号からはしんどい時代が来そう。
どうなることか。