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2013年12月25日水曜日

冬の静岡に企業博物館を訪ねる (3日目・スズキ歴史館)

ばくおん!!という悪質バイク漫画がある。
この極悪非道なるバイク漫画においては、スズキのバイクに乗ってるような奴はおかしい、病気だという卑劣な風説の流布が行われ続けている。

しかし自分では乗ったことないし今まで乗ったのほとんどヤマハだけど、友人にスズキファンを持つ私としては、スズキの魅力をより深く知りかつ正しく広める責務があろう。

というわけで、今日はスズキ歴史館へ。



宿を出て、駅ビルのパン屋で朝食。
名古屋圏では、喫茶店が異様に豪華なモーニングというのだが、浜松はそこまでではなかった。
ただ、小倉餡を挟んだフレンチトースト、という、なんか中京くさいもんを売っていた。
買って食してみたのだが……こんなに甘くていいのか!? 甘すぎる!



浜松では「出世大名家康くん」なるゆるキャラを売り出し中。
家康の居城というと、岡崎城とか駿府城のイメージのほうが強い気がするのだけど、三方ヶ原でアレしたときの居城が浜松城か。

浜松城は、城主が徳川幕府の重臣に出世することが多かったらしく、出世城なんて呼ばれているそう。
それで最大出世者ということで家康を引っ張りだしたわけかな。


さて、スズキ歴史館の予約の11時まで間がある。
しかしあれだ、11時の予約というのはあんまり良くないな。時間前に何かしようにも、施設がオープンするのが10時が多いからほとんど動けず、午前まるごとロスしてしまう。
今度から午後2時とかにしよ。

浜松城まで歩いていくか、あるいは9時半オープンの楽器博物館か。
迷って、楽器博物館をチョイス。


アクトシティという駅前のビル群の、駅と反対側の端に楽器博物館がある。
アクトシティの屋上部は都市型庭園になっているので、散歩がてらぶらぶら歩いて行く。


ショパン像。
浜松市はワルシャワ市と音楽文化交流協定を結んでいるそうで、その時にポーランドにある像の複製をこっちにも建てたそう。

近くは音楽の庭となっていて、演奏ステージがあったりもした。たまには演奏会などもやってるんだろう。


見返すと意外に写真撮ってなかったが、私は結構こんな都市型庭園は好き。


浜松駅を見下ろすところも。
車両が通りかかればいいんだけど、ちょっと間が悪かった。


そして楽器博物館に到達したと思ったら、休館日だった。
第2・4水曜日休みだったかな。まさに今日は第4水曜。


タイの「クローン・エー」という太鼓が展示してあった。


がっくりしつつ、これなら浜松城行った方がよかったかなあ、と後悔しながらも、気を取り直して駅の方へ戻る。
さらにザザシティというショッピングセンターまで歩く。

ザザシティまで来て初めて、浜松の繁華街はこの辺りだと理解。駅の間近はビジネス街だ。
10時開店を待って中へ。

ここには「浜松ジオラマファクトリー」という施設がある。
かのジオラマ作家の山田卓司の作品を展示している。


この「おつかいのおもいで」という作品には、撮影可と案内があったので一枚。
こういう昭和っぽい情景のシリーズのほか、戦車モノ、ガンダムやウルトラマンなどのワンシーン、ジブリ作品(ことさら著作権が厳しいのか、ジブリのは作品ごとに撮影禁止の表示があった)などなど。

さすがに作りこみがすごくて、多少なりとも模型作って遊ぶ身には、どれもこれも見応えたっぷり。
スズキ歴史館の予約時間が近いというのに、つい長居してしまった。
静岡県はほんとホビーの聖地だなあ。

で、駅についたらやっぱり間に合わない時間に。ああ。


スズキ本社は、浜松駅の西隣、高塚駅前にある。
前といっても10分位歩くけれども。

20分くらい遅れてしまったが、幸い混んでるわけでもなかった。
というか私しか客いなかったな……



スズキも最初は織機のメーカーとして始まったので、まずは織機から。
まあ、さすがに織機の機能や性能は私にはいまいちわからんけれど。
パンチカードのプログラムで複雑な柄を織るようにしたものなんかを開発してたそう。


程なくスズキがオートバイ事業に乗り出す。
といってもやっぱり最初は、自転車に取り付けるような補助エンジンから。
1952年のパワーフリーE2。36cc。


第一回富士登山レース優勝・札幌鹿児島間3000キロを18日間かけて日本縦断テスト走行に成功するなどで話題になった、ダイヤモンドフリー。
空冷2サイクル単気筒58ccで2馬力。1953年当時なら結構なパワーか。パワーフリーE2は1馬力。


1956年に、ダイヤモンドフリーで高橋昭治・雄次兄弟がタイ・バンコクからパリまで47000キロを走破した、その実車も展示されていた。


1955年、赤字覚悟の大チャレンジで生み出された、日本初の軽四自動車・スズライトSS。

当時の難所・箱根の坂で、パワー不足で止まったからマフラー外して乗り越えて東京へ。
ヤナセの創業者に、乗って評価してくれと頼んだら4時間も乗り回され、そして「これはいい」と言わしめた、というサクセスストーリーが映像で解説される。
さらにこのスズライトが乗っているテーブルがぐるっと回転して、


ライトバン型のスズライトTLが現れる。
乗用車は贅沢品ってことで物品税が15%ついたんだけど、貨物車扱いならそれがかからないからということで、バンにして貨物車として認定を受けた。
お医者さんが、一刻を争う患者さんを素早く往診するために購入した、というストーリーの映像がなかなか泣かせる。


スズライトキャリィFB。
今のキャリィに続く初代モデル。


フロンテ360を、家のジオラマの中に展示。
1967年のモデル。私の父親は、初めて買った車はフロンテだったらしいけど、もうちょっと後のモデルかな。
車の横に立つとなにか起こる仕掛けがあったらしいんだけど、なんか動作しなかった。

この後しばらく、四輪の展示がことごとくフロンテばっかりに。
まあ360ccも800ccもみんなフロンテだったみたいだけど。


RM62。
マン島TTの50cc部門で優勝した車両。


T20。世界一速い250ccを目指して開発された。
CCIS(潤滑油分離供給)を二輪で初めて実装、市販車初の6速ギア、アルミ製2サイクル2気筒エンジン。
レースカーの技術をぶち込んでしまう、後々過激化する路線の走り。


スズキ初のナナハンGT750は、水冷2サイクル3気筒。67馬力。
意外に静かに走るバイクだったそう。


GS400の初代モデルは1976年製。


そしてロータリーエンジンのRE-5。さすがは変態スズキ。
ジウジアーロデザインで、メーター周りもかなり個性的。


この近くで三気筒エンジンの宣伝も入る。
最近の軽四は三気筒が多いけど、始めたのはスズキ。
4気筒はメカロスが多くて燃費が悪い・冷却損失が大きい。2気筒は1回転ごとのトルク変動が大きい。
その両者の欠点を補うべく中間的な三気筒を選んだのがスズキ。

他社は失敗が多くて諦めてたというから、色々問題もあるんだろうけど。
ホンダでさえバイクでやった時には失敗してたもんね。


初期型ジムニー。1970年。
この手のオフロードカーってカッコだけのやつも多いけど、ジムニーはガチだとその筋の人には名高い。


GT380。ラムエアーシステム!
3気筒なのにマフラーは4本出し!


さわやかアルト、47万円!
中古車が大体40~50万円くらいで売れていたから、新車をそれくらいの価格でぶつけてやる、と無茶を言って実現した価格破壊カー。
ツインやらチョイノリやら、その後もちょくちょくこういうことやるもんね。

ここは映像解説で、「50万円以下でできるか?」「無理です」「じゃあエンジンなしなら作れるか!」「(それもう車じゃないだろ……)まあできます」「じゃあやろう!」という、開発会議の無茶ぶりの様子を流していた。
価格の対比のため、当時の物品を置いてあったんだけど、NEC PC-8001が12万円ちょっとというのもあった。その時代のもんなんだなあ。


ハンス・ムートに頼んだGS650G。
いってみればKATANAの祖先みたいなもんか。


一瞬流行るかと思わせて流行らなかったターボバイク、XN85。
ロータリーはさすがにスズキだけと思うけど、ターボは他所もやってた。CX500とか。


そしてKATANA。初代のGSX-1100Sね。
この固体は2000年に1100台だけ生産したファイナルエディションの1100番車。つまり最後のカタナ。


80年代の花型・RG250Γ。


スズキの誇るザ・冗談バイク、RB50 GAG。
スズキは明らかにギャグだっつってやって(エンジンもビジネスバイクのバーディーから流用だったか)、ヤマハも乗ってきてYSR50なんて発射した。
するとそこに、なんかホンダが空気読まずにガチで速いNSR50を出してきて、ヤマハもケンカ買ってTZM50Rとかで殴り返し、まさに冗談から出た駒というような有り様になったとか。

まあ、バイク界のブームって、スズキがなんかやって、ヤマハがカッコいいの出して後追い、そしてホンダが後出しで大人気なく全部持っていく、というパターンが多いイメージはある。


バリバリ伝説でもおなじみGSX-R。


東京タワーの愛称でお馴染みの変態デザイン・GSX400Xインパルス。
まじまじと実車見たのは実は初めてなんだけど、やっぱり、うん、ヘンやと思う。うん。


チョイノリ。
一度乗ってみたいんだけど、さすがにすぐ壊れてどんどん弾が減っている……


未来を見すぎて客がついてこず、絶版になってからようやく客がおいついてきてプレミアになったSW-1。
確かにいまこれ見かけると乗りたくなるよね。
かといって再販掛けたら売れない気もするっていう。


四輪は運転に自信がなくて乗らない私だけど、Keiはちょっといいなと前から。


ツインてハイブリッドあったんや……知らなかった……


このへんで3階のフロアは終わり。
今度は2階に降りて、製造工程や開発に関する展示へ。


コンセプトカーはこっち。Kizashiから。


近頃ようやく話題になってきた、都市型の小型コミューター・S-RIDE。2003年お披露目のもの。
最近の流れから見ると、世にでるとしたらもうちょっと小さいものになるのかな。


PIXY。
多分シニアカーの発展形みたいなものかな。2007年の東京モーターショーで出したもの。

他にも、都市迷彩みたいな塗装の試作車があって、そういえば他にも観たことあるなと思ったら、どんな外形か他社にバレないようにやってる、と解説されて、ああそりゃそうかと手を打ったり。

なにげに工程システムの展示が面白かったり。
ラインの一部をコンパクトに実際再現してあって、重荷用補助アームとか一部触れたりする。


他には浜松市の紹介コーナーもあり、浜松の偉人(ヤマハの創業者も含む)のパネルが並んでいたり、自衛隊基地にちなんでフライトシミュレーターが置いてあったり。


1階ロビーに降りると、レース車がずらっと並ぶ。

物販コーナーは自動販売機だけだったけど、スズキおなじみ、ノベルティにしか見えない純正部品が並べられていた。
スズキファンの友人のため、部品をひとつ購入していった。

スズキの部品といえば、寿司屋の魚の漢字を並べた湯のみに見せかけて、ほとんど鱸でうめつくされている湯呑みが有名だけど、あいにくあれはなかった。
近頃のゆるキャラブームに乗っかってか、大昔の「CCI坊や」を引っ張りだして湯呑みを作っているようで、それが売られていた。
CCIって、上に写真のせたT20の、2ストエンジンの潤滑油を分離給油するシステム。
その機能にマスコットキャラを作ってまでアピールするほど自信があったようで、CCI坊やの実物もT20の近くに立っていた。


実際楽しい場所で、実に2時間位かけてくまなく見てきた。
解説映像をほとんど全部見ていった博物館は初めてかも。

鈴菌に感染して、ここを出た後に自宅にスズキ車がなければ禁断症状を起こすかもしれないが、その覚悟のある者は来るべし。
まあ、幸いにも、一発で発病するほどものすごい変態車はそれほど展示してなかったから、罹らなくて済むかもしれない。
RF400もなかったし、テンプターもなかったし、SV400Sもなかったし、アクロスもなかったし、3型カタナもなかったし、サベージもなかったし。

いやースズキは素晴らしい。


高塚駅に戻って、あとは帰路につくばかりだが。

飯も食ってないしちょっと弁天島で降りてみた。


オフシーズン。
今来てどうすんだよ感たっぷり。あ、センサーにゴミが……


結局この後蒲郡まで行って、蒲郡駅前で飲食店を探すもピンと来ず、仕方なく駅の立ち食いそば屋に入ってカレーきしめんを頼んだら、空腹のせいかこれがやけに美味かった。ナンデ? というくらい肉がゴロゴロ入ってた。偶然だろうけれど。

蒲郡からあえてJRじゃなく名鉄蒲郡線経由で名古屋へ。
そして帰阪。


いやー、思った以上に楽しかったな静岡。
まだ見残した場所も多いし、また来ることもあるだろう。

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