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2012年1月14日土曜日

生國魂神社など w/ Digital Revio KD-400Z

どこに出かけようかと思ったが、少し体調が悪いんだけど寝こむ程でもないという微妙さだったので、あまり歩きすぎない程度に。
6年ほど使ったシェーバーをそろそろ買い換えないと剃れなくなっていたので、難波の電気街にいくついでに軽く散策する程度にとどめた。

KD-400Zは、2002年の6月頃に発売されたもので、私は当時、ちょっと遅めだけど新品で40000円ほど出して買った品だった。
当時、コニカはデジカメ的には注目されていないメーカーだったのだけれど、世に出てみると「素晴らしく画質がいい」という評判が立った。
で、実際素晴らしい画質で、初めて新品で買ったカメラということもあって、ずっと肌身離さず持ち歩いていた。
思い出のカメラというと大層だけれども、懐かしい品。

KD-400Zの高画質が発揮されるのは、夏の明るい陽射しの下で撮影されたときだった。
かなり発色が派手なのと、絞り開放より絞ったほうがかなりシャープネスがあがるレンズだから、今日のような冬の曇り空では、十分いいけど最高というほどでは……というくらいの写りになる。
まあ、わかっちゃいるのだけど、懐かしいカメラなので持ち出したかった。
なんば駅から東へ歩いて行く。
黒門市場を過ぎ、松屋町筋に突き当たると寺町になっている。


そこに大蓮寺という寺があり、ちょっと変わった寺。なんか若い人集めてインターネットラジオやったりとハイカラなことをしている。
境内には吉本芸人塚なるものがあったり、天王寺高校発祥の地の碑があったりする。


でもって、もう少しいくと生國魂神社。
とりあえず裏手から入ったので境内末社を巡る。


鴫野神社、という末社。
かつては大阪城東側にあった弁天社、よく淀君が参拝していたらしい。その縁で現在は淀君も並んで祀られており、女性の守り神として今も人気がある。今日も女性三人連れで参拝にきていた。


生國魂神社の拝殿まわりは、まだ初詣モード継続中。テントが多くてどこから写真を撮るか迷う。


更に北東へ歩いて行くと、上本町の街にくる。
阿倍野ほどではないけれど近頃再開発が盛んで、上本町YUFURAという大型ショッピングビルが新たに建ったりして賑わいを増している。


しかし私は、うえほんまちハイハイタウンのちょっと時代に取り残された雰囲気が好きなので、そっちに入る。


阿倍野では、古いあべのベルタは、もう人の流れからも取り残されてシャッター商店街ビルみたいになっているが、ハイハイタウンは別にそこまでひどくない。まああべのベルタは立地が悪いのだけど。
入ってる店が昭和以来の個人商店っぽいところが多いし、上の階ほど空き店舗や、店舗からオフィスに転用されたところも目立つものの、まあ私はその程度くらいの雰囲気が落ち着く。


地下も普通に飲食店が軒を並べて、上本町駅からの客を迎えている。
うどん屋に入って、餅入りのかっちん蕎麦を昼食に。


上本町からさらに東へ。
産湯稲荷神社というところがあったので立ち寄ってみる。
結構離れているが、ずっと東のほう、鶴橋駅の少し東くらいにある比売許曽神社の摂社だそう。


祭神は当然宇賀魂命、それから下照比女命と、大小橋命(オホオバセノミコト)とある。
大小橋命というのは聞きなれないが、天児屋根命の十三世の子孫で、ここにある井戸で産湯を使い、神功皇后からこのあたりを領地にもらい、ここで亡くなったという。


社務所で茶道をやっている。


鎮守の森もほとんどない小さい神域だけど、色々祀る神様があるようで、一列にずらりと並ぶ。
寅八大明神とか寅吉大明神とか、個人名っぽいのはご当地の偉人だろうか。


この井戸が名前の由来たる、「日高真名井の清水」といわれた井戸。
地下鉄が近くを通ってることなどもあって状態はよくないらしいけれど、最近、組み上げは可能なように復旧された。




鶴橋駅まできた。
ここでガード下に沿って、レトロな雰囲気の商店街が続いていたので、歩いて行ってみる。
ちょくちょく焼肉屋など鶴橋らしい店もありつつ、外向けではなく在住者向けっぽい雰囲気。


で、これ。遠くから見えてるのだが。


中は意外と寂れていない商店街。履物専門やらジーンズ専門やら、そういう店も散見され、さすがに駅から一番遠い南端は苦しそうだけれど、それでも全体的に生きてる感じ。

そろそろ疲れてきたので、このへんから地下鉄で心斎橋に移動して帰路へ。


久しぶりに使うKD-400Z、やっぱり条件がいいと惚れ惚れするような写りをする。


産湯稲荷神社の鳥居を等倍で切り出すと、こんな写りしている。
やや日陰なので少しざらっとした感じもあるけれど、こういうノイズはあまり綺麗に均すと平板な写りになりやすいので、そこは好き好き。
注連縄がちゃんと縄らしく、向こうの建物の壁のタイルまで細かく写っている。
別に端や隅の写りが破綻してるようなこともない。


鳥居は絞りがF4.7に絞られているが、開放だとこれくらい。
全然悪いという水準じゃないけれど、絞ったほうがカリっとしたシャープさがある。

COOLPIX 5700とかPowerShot G3でこんな写り、というならそうだろうなと思うけれど、KD-400Zは大きさはIXY Digitalくらいだ。
レンズは換算39-117mm F2.8-4.9と、数字は平凡でしかもかなり望遠寄りだけど、HEXANONを名乗るだけあって実に素晴らしい写り。
カシオのQV-R4やR41にもこのレンズを使ってるらしくて、あれもなかなかよく写る。(けどKD-400Zと同等だと感じるほどでもなかった気がするので、画像処理とかで使いこなしがあるのだろうか)


しかしながら、やっぱり条件が良い時の瞬間最大値的画質が素晴らしい、というピーキーなカメラなのは否めない。
絞るとこれだけ写るレンズだけど、プログラムオートしかないから、自分で絞りを変えられない。コニカとしての最後のモデルになったKD-510Zまで、Aモードは追加されなかった。
また、歪曲収差が結構あるのも確か。この時代はまだ、歪曲をデジタル補正するような技術はなかった。

露出はすごく素直に動いてしまって、木々が入ればオーバーになり、空が入ればアンダーになる。もうちょっと気の利いた評価測光がほしい。
しかも露出補正はメニューの深いところ。今回一度も露出補正していないが、明暗差が画面内にあると苦しいのはわかるカットがある。

感度はISO100ベースのオートのみで、増感もさっぱりやろうとしないから、かなり手ぶれしやすい。ボディが小さいこともあって、1/24秒でもブレたコマがあった。
前面レンズバリアがそのままスイッチになっているカメラはよくあるが、このカメラはバリアが左に開くから、撮影時は必ず両手を使う必要がある。
これは、「カメラはちゃんと両手で持って使え」というコニカからの実に真っ当なメッセージだと思うのだけど、それとともに、「せめて両手で持たないと盛大にぶれる」という現実もある。

操作性についても、十字キーが小さくて硬く、押しづらい。
メニュー構成はかなり珍妙で、メニューを出して一番上、カーソルが合っているのが「初期設定」、すべての設定を初期状態に戻すコマンド。これは昔からおかしいと思っていた。
漫然としたメニュー構成で、初期設定→画質モード→ムービー→露出補正→ホワイトバランス→モニター明るさ→デジタルズーム→AE(中央重点/スポット切り替え)→スローシャッター→ボイスメモ→アフレコ→セピア→セットアップ→メニュー終了、という順番。
メニューでは、上下で選択、左でキャンセル、右で実行とキーアサインされているので、露出補正が一番上、次がホワイトバランスかAEモード、くらいになっていれば悪くない操作系になるのになあ。
このあたりの作りこみは恐ろしく悪い。

デザインは端整ではあるのだけど、青いLEDが3つ横並びでチカチカ光る、ちと微妙なイルミネーションがある。
どうもAF補助光としても機能してるっぽいのだが、オフにできない。

AFは、別に外しやすいとか極端に遅いというわけじゃないけど(速くなかったけど)、この頃のハイクラスモデルで中央1点だけというのも、ちと遅れてる感。
同時期のCANONの底辺級モデル・PowerShot A200は3点マルチAFなのに。

起動は公称1.4秒、当時としては超快速といえるほど速い。今のデジカメと比べても全然遜色ない。終了も速い。
左開きスイッチのせいで速写性はちょっと落ちてしまうけど、それでもこの速さはいい。
しかし実は撮影後の記録時間はそれほど短くないという、抜けたところがあったりして。
(SDカードを使っていれば十分実用レベルの速度だけども、内蔵メモリを使用すると、これが笑うほど記録時間が長くなる。店頭展示では大体カード入ってないから、悪印象持った客も多かったかもしれない)

バッテリーライフは、正直なところだいぶ短い。今回46枚しか撮っていないが、もうインジケーターは半分を指している。
光学ファインダーがあるからそれで撮ればもっといけるだろうけど、あまり良い光学ファインダーとはいえない。
ついでにいえば、コニカ(と後のコニカミノルタ)しか使ってない形だから、どうにも潰しが効かない。今後どれだけ使い続けられるかは厳しそう。


と、悪いところ並べるとボロクソになってしまうのだが、これだけ欠点が多くても、全部許せてしまう画質だったから、7年前に買った私は肌身離さず愛用した。
おかげでまあ、一時は大抵のコンパクトデジカメを「画質が悪い。1000万画素もいらん」で切り捨ててしまうような感じの悪い人になったりもした(笑)
ボディはかっちりした金属製で、触って安っぽく感じるところはぜんぜんない、ちゃんとした日本の高級カメラだと感じさせてくれる。液晶も小さいけど綺麗だし。
変化球的な個性派カメラはよくあるけれど、「ハマればとにかく画質がいい」という真正面で個性を出してるカメラなんて、他には早々ない。

SDカードとメモリースティックに両対応する、という珍しい仕様で、SDが埋まったら自動的にMSに、と気もきかせてくれる(MS優先に設定も可能)。
だけど、メモリースティックProではないから、上限128MB。今となってはちと使いづらいか。
SDカードは2GBまでOK。