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2011年4月17日日曜日

能勢妙見山

今日は能勢電鉄の乗りつぶしをかねて、妙見山で花見ハイキングと洒落込むことにした。



阪急電車で梅田から川西能勢口までいって、そこから能勢の方に伸びているのが能勢電鉄。
今調べて知ったけれど、大阪の能勢から取ったんじゃなくて、能勢妙見山から取ったらしい。
実際、走っているのもほとんど兵庫県で、一部は大阪府だけど、いわゆる能勢地域は山の向こう側。
妙見さんへの参拝鉄道として発足するもあまり儲からず、阪急に資本参加してもらったけど、戦後に西武が沿線を開発しはじめてそのまま能勢電を買収しよう、としたけど阪急が増資して食い止めた結果、現在は阪急グループの一員とのこと。
川西能勢口でも駅は別になっておらず、改札内でそのまま乗り換えられる。

ただ、川西能勢口駅のホーム下にある発車時刻表示板には、なぜか能勢電鉄の案内を出していない。
ホームに上がれば出てるのだが、ホーム下改札内に書店やらコンビニやらイートインのパン屋があるような大きな駅で、ホーム下で案内されないのは不便だ。
不採算路線の別会社への差別待遇だろうか……。


とりあえず日生中央駅行きへ乗ってみる。
沿線はなんというか、住宅地として開発されてはいるけどマンションじゃなくて一戸建てばかり。田畑も少なくて家ばっかりで、古い田舎の村というような雰囲気がしない。
ちょっと向こうには山が連なって、山間のスキマにただただ人が住んでるような、どうにも何か、海沿い育ちの私には違和感のある景色。

結構ローカルな鉄道かと思えば本数は多め。
川西能勢口から日生中央と妙見口の両方への直通と、分岐点の山下駅から日生中央・妙見口それぞれに往復している列車とがあり、それぞれが山下駅で接続されて、どこからどっちへ行くにも少ないロスで乗り換えられる感じ。よくできてる。

で、日生中央。
マンションらしいのは目立たないが、やはりニュータウンではあるので、ニュータウンの駅のいつものパターンで、生活には便利だろうけど面白くはない感じのショッピングセンターがある程度。ケーズデンキの大きそうな店舗もあった。
特に長居してどうというところでもないので、また電車へ乗って妙見口方面へ。


山下から妙見口方面へは、ややローカル感が強まる。山が近くなるというか。
こっちもニュータウンなんだけども、数百メートル離れた高台のニュータウンへエスカレーターで上がるとか、ちょっと駅からズレたところに人が住んでるよう。

妙見口駅は、若干観光駅らしい雰囲気。ほんとに若干で、駅前の飲食店が店先で農作物と申し訳程度の土産物を並べていたり、旅館があったり。
妙見山へ登る妙見ケーブルへは徒歩20分という。1.5kmほどあることになるが、ぶらぶら歩いて行く。
道は狭くて、車が離合するのはちょっと窮屈な生活道路。道端には民家も並んでいるが、どれも昭和っぽい。のどかでなんだか雰囲気がいい。
途中で廃校らしいのがあって、研修センターとして利用されていた。これがまた昭和感あっていい。
しばらく行くと国道477号へ。
かつて徒歩で参拝していた時代の参道口の鳥居が右手にあったが、体の大きくて重い私は上り坂がきついので、徒歩登山はパス。

結構歩いたな、というところで、妙見ケーブルの黒川駅へ。

ここから突然写真が入るのだが、PENTAX K-xにトラブルが起こって、8GBのSDカードなのにほんの30枚も撮影したところで「カードが一杯」だの「フォーマットされていません」という。
一旦フォーマットすれば収まるかと思い、黒川駅前で一度すべての写真を失ってしまった。
が、結局症状は収まっていなくて、妙見山上でまた同じエラー。結局携帯での撮影に切り替える羽目に。



ケーブルカーに乗り込む。
桜のシーズンだからもうちょっと混むかと思ったが、それほどでもない。

妙見ケーブルは、路線距離0.6km、高低差229m。
大抵のケーブルカーは狭軌なのに、標準軌を使っているのが珍しいとか。車両は実に50年前から使ってるものとのこと。

ケーブル山上駅に到着。
しかし、ここは山頂までの道が曲がっているので、ここを中間点として、さらにもう一度リフトに乗る。
かつてはケーブルカーが走っていたらしい急な坂道を平面距離で200mほど登ると、妙見の水広場というのがある。
そこから、山上行きのリフトが出ている。

また広場には、「妙見山シグナス森林鉄道」というのがあった。
ちょっと30男ひとりで乗るのは辛いのでパスしたけれど、能勢電鉄がやってるトロッコ列車であるそうだ。

リフトに座って山上へ。
実はスキーやったことないので、リフトに乗るなんてのは人生で片手に足りるほどレアな経験。
そして山上の妙見山駅へ。

この駅から、日蓮宗の寺院たる能勢妙見宮までは、さらに道のり700メートルほど歩く。
さっきから結構歩かされているが、お年寄りなど大変であろうなあ……。


歩いて行くと、なんかガラス張りで星型の奇天烈な建物がある。
妙見宮の紋章を型どった礼拝堂「星嶺」であるらしい。日蓮宗って結構奔放なところがあるらしいけど、この前衛的な礼拝堂もその一環なのだろか。

その裏手に本堂がある。
見ての通り立派ではあるのだけど、山頂のごく狭い土地にコンパクトに建てた感じ。頂上の一番高いところだけを贅沢に利用してみました、という感じだろか。
旅館や飲食店、簡易郵便局などもあるのだけど、妙見宮のお堂と軒を並べて建っている。


道なりに歩いて行くと、どうも山の裏手のようなところに出た。
私はいつものように、下りは歩いていくつもりでいたから、案内板を頼りに下山道を探すが、結構いろんな方向に道が出ている。
しかし道を間違えて駅と反対側に行ったりしようものなら、山道を20キロ以上踏破して京都の亀岡まで突破しないと鉄道に到達できない。

気をつけて道を選んで歩いて行くと、京都大学の地震観測室なんてのを発見。
さらに進むと、リフトを降りて歩いてきたところに出たので、また案内を頼りに下山道へ。
ケーブル黒川駅まで1.9kmとある。下りだからまあ大丈夫だろ、と突入。
が……

倒壊した廃屋(複数あり)
ガレまくりの急坂
道沿いの小川がだんだん広く深くなって崖に
道がひどい。
投げ捨てられているワープロ
しかし道の脇に、「春菊大明神」なんて珍しい神様が祀られていたり、八大龍王をはじめとした多くの神様が祀られているところがあったり、古い道しるべがあったりと、歩いていて面白くもある。
今となってはあまり歩く人も多くないけど、かつては妙見宮に参るときはみなここを通ったというのが感じられる。

途中で、雄滝行場というところがあった。修験者もいるところなのだろか。
この雄滝行場よりあたりから、多少建物が見られるようになってきて、人間が居る感じが出てくる。道も良くなってくる。

もう少し降りると、白瀧稲荷神社というのがあった。
なぜか大阪の玉出から寄進があったのか、地名を大きく書いてあった。はて。
主神のお稲荷さんの他にもいくつも摂社が合祀されているが、谷間の小さなスペースに、立体的にいくつも祀られている。
前後左右に上下まで神社に囲まれるような雰囲気。

白瀧稲荷を過ぎるともう民家すらみえてきて、程なくケーブル黒川駅。
駅前にちょうど、妙見口駅行きのバスがきていたので乗り込んだ。さすがに疲れた。


妙見口駅前に戻って、土産物でもと店を覗いてみれば、鹿のイラストを描いたカップ酒を売っていた。地酒だ、と店番のおばちゃんがいう。
秋鹿酒造というとこのものだが、一合カップ300円と安いけど純米酒。
使ってる米が山田錦じゃなくて日本晴(コシヒカリ開発以前に広く作られていた食用米で、酒米にもなるけど酒造好適米とはされていない)で、精米歩合が65%と高めなあたりが低価格の理由みたいだけど、飲んでみるとこれがなかなか美味しい。
秋鹿酒造は安い酒といえどアル添は一切やらないそうで、上等な銘柄では自家栽培の山田錦で作ったものもあるとのこと。こだわりがある蔵元だ。


ここからは、すなおに能勢電と阪急で帰路へ。